長い冬を乗り越えて、ちらり、ほろりと大島桜が咲き始めました。どんなに大変なことがあっても、自然はすごい。常にMove forward。花が咲き始めると、なんだか気持ちも明るくなりますね！
私の方は、長くつづけてきたDining with the ChefというNHKワールドの番組が、NetflixのChef’s TableやNigella Lawsonという大好きな番組に並んで、大きな賞をいただき、本当にびっくりしております。英語の料理番組を作っても、誰が見ているのかな、誰の役にたっているのかな？あまりよく分からないままとりあえず走ってきた10年でした。だけど、きちんと心を込めて作れば、海を超えた人の心にも届くんだ、そんなことを実感しました。そして改めて気がついたことがありました。それは「なんでも１０年かかるんだ」ということ。料理も、英語も、インテリアも、いろんなことを学び、昇華させるには、きっと10年続けなくてはならないんだな、と思います。反対に、多くの人は途中でやめてしまう傾向にあるので、１０年続けたら、その先には何か残るということが言えるのかもしれません。
考えたらワインだってそれなりの果実を作るようになるの時間がかかる。毎年１回しかないチャンスを活かし、美味しいワインになるにはもっと時間がかかる。人との関係も、良い時もあればそうでない時もあり、でも続けていけば、その先には変化することもある。料理を学ぶにも、英語を学ぶにも、すぐに理解できる時期もあれば、スランプにぶち当たることもある。ビジネスはうまく行く時もあれば、地震やコロナで、よく行った分、うまく行かない時もある。結局はいろんなことは曲線を描いて、よくなったり、悪くなったり。まるでローラーコースターのようです。でもだから面白いのかもしれません。平坦なまっすぐな道なんて面白くない。どうしようかな、と眉間にシワを寄せ、考え、アイデアがうまくいったときに飲むワインほど、美味しいものはありません。
春。新学期の季節です。ぜひみなさんも、１０年毎年失敗し続けてがっくりすることを覚悟して、新しいことにトライしてみてください。そう考えると、うまくいかなくても「セラヴィ！」と笑っていられます。
今月お届けするワインはフランスから３本、アメリカから１本です。こちらのブラン・ブランは本当にエレガントなお味で、お祝いにぴったりの１本です。桜が咲いたら、新しい人生が始まったら、ぜひ開けてみてくださいね！
1. クロード・カザル ブラン・ブラン フランス
これはすばらしき一本。フィラディス完全限定でリリースするシャルドネ100%のブラン・ド・ブランだそうです。桃・洋梨・リンゴのコンポートのようなイメージ。抜栓してグラスに注ぐとすぐに豊かな甘い香りが立ち上がり始めます。この一本があって、桜の花があれば、もうしあわせ〜！な一本です。
希望小売価格 5500円
2. ヴィルボワ・フルニエ バロン・ド・マムール トゥーレーヌ・ソーヴィニヨン フランス
切れ味シャープな酸、ミントのような爽やかな青さを感じられるソーヴィニヨン・ブランです。ソーヴィニョン・ブランというと『サンセール』や『プイィ・フュメ』が有名ですが、トゥーレーヌのソーヴィニョンも、爽やかでどんな料理にも合います。
希望小売価格 2200円
3. ドメーヌ・コルディエ マコン・フィッセ フランス
レモンの蜂蜜漬けのような、トロトロになった洋梨のような、濃密な果実感が伝わってきます。香りの奥に樽熟成による焼き菓子的なニュアンスがほのかに立ち、食後にのんびり飲む一本としてもおすすめです。ちなみに、飲む45分くらい前には抜栓しておくのがおすすめだそう。「蜜っぽさ」が十分に表に出てくるのに、時間がかかるそうです。
希望小売価格 3200円
4. トータス・クリーク カベルネ・ソーヴィニヨン アメリカ
本格感・贅沢感のある素晴らしいカリフォルニア・カベルネです。南仏ラングドックを拠点としていたワイナリーがカリフォルニアにそのステージを移し、果実味あるパワフルな赤を作りました。牛肉にも合いますが、ちょっとこってりした豚の角煮やすきやきにもぴったりです。
希望小売価格 2400円
