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9月ワイン

9月ワイン

みなさま、お元気ですか?最近私はオンライン英語教室などもスタートし、少しずつ生徒さんたちと楽しい発見をしております。大人になって新たなことを学ぶというのは勇気も労力もいります。昔だったら「なるほど!」と覚えられたことが、もうさっき見た映画の名前も覚えられない。だから何をしても進化できないんじゃないか、と自分を疑いたくなります。でも子供の頃はどうだったろう?と思い出してみると、実は子供の成長だって、とっても遅かった!私の成長なんて、とんでもなく遅かった!(笑)習字を習ったりピアノを習っていましたが、基本は1週間に1回「触れる」だけ。使いっぱなしで固くなった筆を水でなんとか柔らかくして、文字を練習する。練習もしていないショパンやモーツァルトの曲を、とりあえず弾く。でも振り返ってみると、やっぱりやっていなかったことと、やってきたことの差は大きいな、と思います。

ワインを勉強する時も同じような気がします。生産国もたくさんあって、品種もたくさんあって、レストランに行くとリストを見てもチンプンカンプンです。でも例えば「まずはアメリカ→次にイタリア→次にフランス→次にスペインという順番で攻める」とフォーカスエリアを最初に決めると、全体像が掴みやすくなります。例えば私はこの順番でワインに触れていきましたが、まず主要品種に分けられたアメリカから学ぶと、自分が何が好きなのか、分かりやすくなります。私の場合は、白はさっぱりしたソーヴィニョン・ブラン、あるいは樽香の少ないシャルドネが好き、赤はメルローかピノが好き、と自分の好みが分かりました。すると今度はイタリアに移動しても、「さっぱりした白と重すぎない赤を見つけよう」という目標ができます。さっぱりした白や重すぎない赤はイタリアの北の方がみつかりやすいなら、北にフォーカスしていろんなワインにトライしてみようと思います。

また、どんなワインか伝えるときも「色はどんな色?香りはどんな香り?飲んだ瞬間、飲んだ直後はどんな感じ?食べ物と合わせるとどう?」と最初から伝える項目を考えておくと、「おいしい、そうじゃない」という2種類の言葉だけではない、もっと複雑さを持った伝え方ができます。伝え方だって「ラズベリーの香りです」と言うより「なんとなく小梅を食べたときのような甘酸っぱさ」と伝えられたら、言葉にオリジナリティが生まれます。ラズベリーをもっと伝わりやすい言葉で置き換えると、人が興味を持って聞いてくれるようになるのです。

「その映画おもしろかった?」と聞かれたときも同じです。おもしろかった、まあまあだよ、で済ませるのではなく、「脚本がよかったよ〜。こんなセリフが心に残った。でも映像は照明が少し明るすぎて、品格を感じなかったかも。音楽も単調だったから、少し工夫をするともっと素敵だよね。キャストはすばらしかったなあ。」そう伝えるだけで、なんだかとても深い洞察になります。

いろんなことを意識して言葉で伝えていくって、とっても楽しい。おいしいワインも、言葉に刻まれることによって、さらにおいしいものとなるような気がします。今月のワインもそれぞれのボトルで、色、香り、味わい、料理とのマリアージュ、分析して伝えてみてください。ワインがもっと楽しいものになりますよ。

 

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●ヴーヴ・オリヴィエ  セクレ・ド・カーヴ  希望小売価格 5000円

甘い華やかな香り、濃厚なフルーツ感がすばらしいバランスが素晴らしいシャンパーニュです。リフレッシュするというよりは、こちら一本でリラックスするためのシャンパンです。

●ドメーヌ・ド・ラ・ドゥナンテ  ブルゴーニュ・シャルドネ   希望小売価格 2000円

シャルドネという品種は作るエリア、作り手によって千差万別です。ぐぐっと重たいものがあれば、キレのよいさっぱりしたものもあります。こちらの一本は適度な爽やかさと、甘さを持ち合わせた一本。重さと軽さの中間に位置する一本とも言えます。

●デュパキエ ブルゴーニュ・ピノ・ノワール 希望小売価格 2000円

さくらんぼのような酸味と香り、抜栓から時間を経るに従い果実味が強くなっていきます。1時間前の抜栓から3時間まで、どのように変化していくか、観察していくのも楽しい1本ですよ。クラシカルなタイプのピノが好きな方に。

●フランソワ・ド・ゴーダール ブルゴーニュ・ピノ・ノワール 希望小売価格 3000円

目をつぶると、ラズベリーやクランベリー、サクランボなど赤い果物の香りにつつまれるすばらしきブルゴーニュ。3時間以上の抜栓をおすすめされていますが、私は昼の12時にボトルを開けて、19時に飲んだら最高でした。デキャンタより、私は抜栓時間によって香りや舌触りの変化を感じます。みなさまもお試しを!

 

 

シャルドネにも、ピノ・ノワールにも合う豚肉料理をご紹介します。

ハム風ポークのツナソース

低温でローストすれば、手作りハムもカンタン。サンドイッチにもぴったりです。

材料(4人分)

豚のロース肉  500グラム

粗塩  小さじ2

こしょう  適宜

天板に入れる水  1カップほど

ツナソース

ツナ缶  80グラム 1個

アンチョビ  1本

マヨネーズ  大さじ4

牛乳  大さじ2

レモン汁  1/2個分

オリーブオイル  小さじ1

こしょう  たっぷり

 

作り方

1 ハム風ローストポークを作る。(前日でもよい)オーブンを120度にあたため、粗塩を全体にすりこむ。オーブン天板に水を加えれ、その上に網をのせる。お肉をのせて120度で50分を目安に、ゆっくり火を通す。

2 オーブンから出したら、アルミホイルにくるみ、室温に戻す。そのあとは冷蔵庫で冷やす。

3 ツナソースの材料は全てをミキサーにかける。薄切りにしたハムの上にソースをかけ、あればパセリ、オリーブの実、ピンクペッパーなどを彩に添える。

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行正 り香

福岡生まれ。広告代理店に就職しCMプロデューサーとして活躍。2007年に、広告代理店を退社。著書に、「だれか来る日のメニュー」、「おうちに帰って、ごはんにしよう。」「19時から作るごはん」など39冊がある。中国語版、韓国語版にも翻訳済。NHKワールドでは「Dining with the Chef」のホストを務め、世界に向けて日本料理をプロモートしている。

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