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6月おすすめワイン

6月おすすめワイン


 みなさま、ゴールデンウィークは、いかがお過ごしでしたか? 私は3泊5日で、ローマとその近郊、オリヴィエートに行ってまいりました。いろんな国を訪れたら、主要都市に行って、美術館やレストランを巡ることも楽しいのですが、列車に乗ったり車を運転して、近郊都市に足を伸ばすのもおすすめです。オリヴィエートはローマから列車で1時間の城塞都市。美しい教会や器屋さんがたくさんあり、アート色溢れる小さな街です。おいしいレストランがいくつもあり、町の中にステイするのも楽しいのですが、さらにおすすめなのは、都市からタクシーなどで足を伸ばし、山の中のアグリツーリズモにステイしてみること。葡萄畑やオリーブ畑を歩きまわり、イタリアのカントリーライフを味わうことができます。私が訪れたアグリツーリズモは、キッチンもあったので、数日間泊まるならば、食材を買ってきて、料理をするのも楽しいと思います。
 ローマを訪れたら、ヴァチカンやコロッセオなど、見所がいっぱいですが、私が好きなのはトレステヴェレという下町や、テヴェレ川のほとりを歩き回ることです。ミラノやパリと比べると、フレンドリーでサイズもコンパクトなローマ。歩きやすい靴さえ履いていれば、1日で「ローマの休日」に出てきた見所を巡ることもできます。学生時代や社会人になって夏に訪れたローマは暑すぎて、観光客が多すぎて、疲れる町でしたが、春に訪れたローマは、まったく別の表情を持つ、大人の町なんだな、と思いました。
 気がついたら、すでに半世紀も生きてきた私が(笑)、最近改めて感じることは、「全ての旅は学びである」ということです。旅の最中はお財布を無くしたり、パスポートを盗まれたり、トランクが届かなかったり、乗った飛行機が壊れてリターンしたり、それはもう、いろんなことが起こります。でも、そんないろんなことが、自分の忍耐力、英語でいうToralenceをつけてくれているような気がします。プラン通りに全てのことは進まないし、がっくり落ち込むこともあれば、寂しいこともある。けれど、だからこそ見えてくることも、出会いもたくさんある。大切なことは、がっくりきてうなだれる時間を、より短くして、変化を楽しむ小さな努力をしてみることかな、という気がします。
 ワインのボトルを1本開けるというのも、ある意味旅のようなものです。知らない土地に行くように、新しい刺激をもたらしてくれる体験を、家にいながら味わえるのは、ラッキーなことです。さて、本日みなさまと共に体験したいワインはこちらです。

1. ラ・グランド・コート クレマン・ド・ブルゴーニュ フランス
エレガンスを重視し、香り・味わいスタイルもシャンパーニュに限りなく近い1本だそうです。これだけのクオリティのものを、ブルゴーニュ産のクレマンから見つけることは、さぞかし大変であったろうと(笑)驚いた一本でもあります。
希望小売価格 3000円

2. トータス・クリーク シャルドネ アメリカ
もともと南フランスでワインを造っていた生産者。アメリカで生産した赤も成功を納めていますが、こちらの白もでアメリカと南仏の良さを掛け合わせたようなイメージ。果実味がありながらも、重さを感じさせないのは、ステンレスタンクのみで仕上げる製法によるものなのだそうです。
希望小売価格 2400円

3.グランデス・ヴィノス・イ・ビニェドス アナヨン・セレクシオン スペイン
日本国内各地のスペインバルで高いグラスワイン採用率を誇るこのワインがこちらだそう。2000円台のワインながらロバート・パーカーは90点を付け、アナヨン・シリーズは「スペイン最高のワイン」と呼ばれるようになったのだとか。軽めに楽しみたい方は、少し冷やして、3時間くらい前に抜栓をしてみてください。

4. グランデス・ヴィノス・イ・ビニェドス アナヨン・クラブ・バリッカ スペイン
アナ呼シラー、グルナッシュ、テンプラニーリョという『アナヨン』とは全く異なるブドウ品種を使用して作られたセパージュ。心地よい果実味と滑らかな口当たりのバランスは、一言でいうと「フレンドリーでエレガント」こちらも抜栓して数時間おいていただくと、香り、味ともに軽くなっていきます。
希望小売価格 4000円

行正り香セレクト おまかせ定期ワインコース / 月額10,000円 (送料+税込)
*このセットは 6/15 以降となります。

カリフラワーのグラタン
ヨーロッパの野菜料理には、いろんな種類のグラタンがあります。ズッキーニをソテーしてパン粉をかけることもあれば、トマトをソテーしてチーズをかけるものもある。
こちらのカリフラワーのグラタンも、前菜として、またはお魚やお肉の付け合わせにとても合います。今回ご紹介したワイン全てに合う一品です。ホワイトチーズをかけず、パン粉をのせてあっさり仕上げ。もし赤と合わせるようでしたら、モッツァレラチーズやパルメザンチーズをのせてから焼いてみてください。

材料(4人分)
カリフラワー1個
牛乳1/2カップ
塩小さじ1/2
砂糖小さじ1/2
お好みでにんにく 1かけ 
仕上げの塩少々
パン粉 大さじ2
E.V.オリーブオイル 大さじ2
お好みでパルメザンチーズ(フレッシュでなければなくてよい)
塩仕上げに2つまみ
作り方
カリフラワーは房の部分だけを切っておく。にんにくはお好みで入れる。薄切りにしておく。オーブンは200度に温めておく。
鍋に牛乳、塩、砂糖、カリフラワー、にんにくを入れ、強火にかける。沸騰したら弱火にし、カリフラワーが柔らかくなるまで、7-8分煮る。
2を火からおろし、ガラスが割れてしまうので、少し粗熱が取れてからミキサーにかける。(ハンドミキサーならすぐに鍋のなかで攪拌してよい)
耐熱器に入れ、その上にパン粉、E.V.オリーブオイル、塩2つまみ、あればフレッシュのパルメザンチーズを少々すりおろし、オーブンで10分ほど焼く。

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行正 り香

福岡生まれ。広告代理店に就職しCMプロデューサーとして活躍。2007年に、広告代理店を退社。著書に、「だれか来る日のメニュー」、「おうちに帰って、ごはんにしよう。」「19時から作るごはん」など39冊がある。中国語版、韓国語版にも翻訳済。NHKワールドでは「Dining with the Chef」のホストを務め、世界に向けて日本料理をプロモートしている。

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