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ダンナ的・護身術

ダンナ的・護身術


私のダンナ・ヒロは、学生の時、ラグビーをしていた。高校時代のラグビー部当時の監督は、怒ると、今思い出してもゾゾゾと震え上がるほど怖かったらしい。

 

「なんか~ きさ~ん!(訳:なんだ~ おまえ~!)

ちょっと こ~い!!(訳:ちょっと きなさい!!)」

ひとたび監督のその声を聞いたなら、運動場の端にいようと、どこへいようと、ある種の覚悟をもって猛ダッシュ。監督のもとへ、ゴー。すると、すかさず。“パチンっ! ”“パチンっ!”人によっては、もひとつ“パチンっ!”という音が!監督にたたかれるらしい。

 

ところが、そのパチン。一回で済むのか二回になるのか、はたまた三回になるのか。それは、意外にも、“監督の怒りの度合い”とは関係がないのだと、ヒロは言う。でもって、ヒロ自身は、一回たたかれるのは仕方なしとして、二回・三回と連発された記憶はないらしい。それは、なぜか?どうもそれ、ヒロなりの作戦があったらしいのだ。

 

その作戦とは、”パチンっ!と、たたかれたら、半歩前進!視線を決して外さず、監督をにらみつける!“というもの。ヒロ曰く、人はたたかれると、恐怖のため、どうしても視線をおとしてしまう。が、これ、なぜか相手をさらに強気にさせ、ますますカーッとさせる要因になるのだという。さらに、たたかれた瞬間、人は腰がひけ一歩下がってしまうものらしい。そして、このことが、二回目のパチンっ!を助長してしまう、というのだ。

 

ヒロの分析によれば、人間、一度たたいて、二度目たたこうとする時、必ず“ある程度の距離“というものが必要らしい。(構えなおす必要があるから。)だから、相手が一歩さがってくれたら、これ幸い。絶好の距離を得られ、2回目。もういちど相手がひるんでまたまた一歩さがろうものなら、3回目のチャンスがめぐってくる、というわけ。

 

「オレは監督にそんなチャンスを与えなかったから、被害を最小限にとどめることができた」

あれから30年過ぎようかというのに、ヒロはとっても得意げ。ニヤリと笑う。

 

まっ、そういうことですので、もし何か機会ある方(今どき、なかなかそんなチャンスには巡り会えないと思いますが)は、ぜひこの護身術、お試しくださいませ。

 

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高木千春

福岡生まれ。行正り香の1つ違いの妹。「ちはるのお笑い日記」執筆中。

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