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1月のおすすめワイン

1月のおすすめワイン

1月のワイン

11月に、ヴェニスに行ってきました。3年ぶりの海外。お料理教室のワークショップに参加するのが目的の、4泊5日の旅です。なんだか3年ぶりとなると、飛行場に行くのもドキドキ。意味もなく早めに空港に到着してしまって、ぶらぶら空港探索までしてしまいました。

24時間以上かかったので、現地に到着したのは夜中でしたが、その美しさは以前と変わらぬものでした。イタリアの都市はどこも特徴があり、ミラノ、フィレンツェ、サン・ジミニャーノ、シエナ、ヴェローナ、ローマ、そしてベニス、それぞれの都市で全く違った良さがあります。私がヴェニスが大好きなのは、ヨーロッパの雰囲気だけでなく、街全体の建築様式が、イタリアの貿易相手国であったイスラムの影響を受けているから。一度トルコのイスタンブールに行ったのですが、その時に見て感動した寺院の形や窓の形に、いろんな建築物が似ているスタイルで、どこか東洋と西洋がぶつかり合うようなミックスデザインが、格別な雰囲気をもたらしているのです。

例えばデンマークに行ったときは「キャンドルを生活に取り入れたい!」と感じましたが、今回私がヴェニスから持って帰りたい!と感じたのは、カルロ・モレッティというムラーノグラスと、カルロ・スカルパという建築家が生み出した素材の組み合わせアイデアです。スカルパのコンクリートや真鍮、そして木の組み合わせ方は、今までどこで見たものとも違って、さすがミックスすること、新たなトライをすることを当たり前とした文化に生まれたから、こんなことができたんだな、と驚きました。日本人はついつい、なんでも完璧に作り上げていこうと努力してしまいますが、ムラーノガラスは「吹きガラスに、これくらいのゆがみは美しいかな?」と、トライアルをしており、カルロ・スカルパの建築は「スタイルに、必ずしも統一感を持たせなくてもいいかな?」と自由な発想で考えられていることが分かります。この旅で、私はイタリア人の柔らかさかさを、持って帰りたいなぁ、と思いました。

ワインを飲み続けると、その文化を生み出した土地の人が感じること、歴史、音楽、全てが関係しているという事実を、なんとなく感じるようになります。イタリアワインのときはイタリアの、そしてフランスワインのときはフランスの音楽などを聞きながら愉しめば、深い文化に、少しずつ触れていただけるかもしれません。ワインはDeep Learning(深い学び)があります。それが楽しくて、離れられません。

さて、今月は新年にふさわしい、シャンパンに力を入れたセレクトとなっています。フランス、ドイツ、スペインと心の旅を計画してみてくださいね。

アンボネイ グラン・クリュ・ブリュット 6380円

バニラのような香甘い香りがありながら、口に含むと、フレッシュな酸味と甘みを感じる1本。ぜひ新年のお祝いに、お楽しみください。

リースリング Because  1800円

大好きなBeaucse の新シリーズ。リースリングは世界三大白ワイン用品種の一つ。その約60%はドイツが占めていると言うから驚きです。華やかな香りとピュアな果実味は、優美な味わいです。

エレダード・デ・アルミズラ スペイン 1600円

スペイン・アリカンテ地方に畑を持つ数多くのブドウ栽培農家と小規模ワイナリーの組合で作られるカベルネ・ソーヴィニヨンなのだとか。抜栓して2時間くらいおいてから、香りが華やかになります。

プルノ スペイン 2900円

ベガ・シシリアに隣接する畑のブドウから作られた1本。(こちらは私はスペインはサン・セバスチャンのステーキレストランで飲んで、忘れられぬ1本です)。様々なベリーやスパイスを感じる、けれども重くはなく、シルキーな舌触りです。私は6時間前に抜栓しましたが、次の日も最高でした!

 

本日のご紹介レシピ

まぐろのカルパッチョ、オレンジ風味〜シャンパンと白に合わせて

レモンとオレンジを効かせたカルパッチョ。シャンパンにもリースリングにも合いますよ。

材料(4人分)

ばちまぐろ、めじまぐろ、びんちょうまぐろなど、300g 7mmの厚さ
オレンジの皮 1/4個分
オレンジのしぼり汁 大さじ2
レモンの皮 1/4個分
レモンのしぼり汁 大さじ1
パン粉 細かくくだいたもの 大さじ1
塩 小さじ1/2
オリーブオイル 大さじ1
あればピスタチオ 適宜
お好みで刻み刻み唐辛子 少々

作り方
1・まぐろはばちまぐろ、めじまぐろ、びんちょうまぐろのように白い色の安いものでよい。まぐろは7mmの厚さに切る。盛り付け皿に塩を小さじ1/4振り、その上にまぐろを並べる。さらに上に小さじ1/4の塩をかける。
2・オレンジの皮、レモンの皮はよくすり下ろすのでよく洗っておく。パン粉はビニール袋に入れ、細かく砕いておく。1の上におろし金具でオレンジの皮、レモンの皮をすりおろす。さらにオレンジの絞り汁、レモンの絞り汁をかける。
3・2の上にパン粉、オリーブオイル、あればぴピスタチオ(なければよい)、お好みで刻み刻み唐辛子少々を振りかけて出来上がり。

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行正 り香

福岡生まれ。広告代理店に就職しCMプロデューサーとして活躍。2007年に、広告代理店を退社。著書に、「だれか来る日のメニュー」、「おうちに帰って、ごはんにしよう。」「19時から作るごはん」など39冊がある。中国語版、韓国語版にも翻訳済。NHKワールドでは「Dining with the Chef」のホストを務め、世界に向けて日本料理をプロモートしている。

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