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8月ワイン

8月ワイン

みなさま〜、お元気ですか?梅雨が早く開けたかと思ったら、今頃雨が降ってしまったりと、今年は「思い描いていた夏」とは違いますね。暑くなると、私はパリに行ったときの猛暑を思い出します。気温は40度近く。でも古いアパートや、私たちが宿泊したAir B&Bにはエアコンがなかったので、眠ることもできません。せっかくパリに来たのだからと、朝から歩き回ると、これもう(行ったことないけど・・・)サハラ砂漠の中を歩いているかのよう。日本の夏は湿気があるから大変だと思っていましたが、雨が降ってサウナにいる方が、砂漠よりはやさしい気候なのかも、と感じたほどでした。

暑い夏は、無理に外にでかけず、遮熱遮光カーテンやロールカーテンを下ろして、太陽が沈むのを静かに待つのも一つの手です。イタリアや南フランスには窓にシャッターがついていて、午後光が入り始めたらシャッターを下ろします。日本の家は昔は軒先があって光を遮っていたのですが、現在軒先があるおうちは少ないので、南や西にお住まいの方は、シャッターの代わりに遮光・遮熱ロールカーテンなどを入れると暑さをしのぐことができます。夕暮れまでは静かに仕事をして、そして涼しくなったら光を入れる。スパークリングワインか白を開ける。音楽をかける。ワインボトルが空になったら、今度は冷やした赤ワインを一杯だけ。そして映画でも楽しむ。

私が夏、必ず見る映画の一つに「イル・ポスティーノ」というシチリアが舞台の映画があります。パブロ・ネルーダという実在の詩人を主人公に描かれた映画ですが、音楽から映像まですべてが素晴らしく、私の心にイタリアの夏を持ってきてくれる最良の一本とも言えます。パブロ・ネルーダという詩人は、もともとチリで外交官などをしながら詩を書いていた公人。社会問題を意識しながら働いてきたからこそ、苦労をしながら生きている人に、優しい目を向ける詩が多い気がします。そんな彼が愛について書いた詩の中に、「Love is so short.? Forgetting is so long.」というフレーズがありす。なんだか長く生きている気がつく。そうだなぁ、確かにそうだ。誰かを情熱的に好きになって、大好きでたまらない時期というのは、実はshortかもしれない。そこから運が良ければ、夏の太陽のようにジリジリする愛情は、穏やかな秋の太陽のような友情に変化して行く。そして何かの理由で別れが来たなら、Forgetting is so longな状態になるのかなと。この短い言葉の中に。パブロ・ネルーダのたくさんの愛の経験が詰まっているのかしらと、そんなことを考えながら飲み干すワインは、また格別の味わいです。

暑さ厳しい毎日が続きますが、ワインで夕暮れからのんびりして、秋までファイティン!

今月のおすすめワインと夏を乗り切るお肉料理をご紹介します。

行正り香セレクト おまかせ定期ワインコース /?月額10,000円 (送料+税込)

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●フランス ブルゴーニュ ブルゴーニュデリアンスNVクレマン・ド・ブルゴーニュ  希望小売価格 3400円

グラスに注いでまず立ち上がってくるのは、お花のような香りです。味わいは甘い果実味に程よい酸。リフレッシュ感に満ちていて、どんな食事にでも合わせやすいスタイルです。

●フランス ブルゴーニュ ジェレミー・アルノ―2019プティ・シャブリ  希望小売価格 3600円

こちらは驚きのクオリティ。柑橘系フルーツのアロマに始まり、爽やかにリラックスさせるハーブティのような印象。色は濃い目ですが、味わいはフレッシュです。夏にリピートしたい1本です。

●スカーナヴィッラ・ダヴィーニ2012 モンテクッコ・ロッソ・レゼルヴァ? 希望小売価格 2600円

イタリア・トスカーナ州で今注目を集める新たなエリア「モンテクッコ」のワインだそうです。ゆっくりと開いていくワインですので、少なくとも食事の3時間以上前には開けて、ボルドー型のやや大きめのグラスで飲んで見てください。香りにびっくりです!

●ドーシャトー・マルタン2018 シャトー・マルタン キュヴェ・クーテラン? 希望小売価格 2400円

 

本日は、クレマンや白に合わせて

まぐろのカルパッチョ、オレンジ風味はいかがですか?

材料(4人分)

ばちまぐろ、めじまぐろ、びんちょうまぐろなど、300g 7mmの厚さ
オレンジの皮 1/4個分
オレンジのしぼり汁 大さじ2
レモンの皮 1/4個分
レモンのしぼり汁 大さじ1
パン粉 細かくくだいたもの 大さじ1
塩 小さじ1/2
オリーブオイル 大さじ1
あればピスタチオ 適宜
お好みで刻み刻み唐辛子 少々

作り方
1・まぐろはばちまぐろ、めじまぐろ、びんちょうまぐろのように白い色の安いものでよい。まぐろは7mmの厚さに切る。盛り付け皿に塩を小さじ1/4振り、その上にまぐろを並べる。さらに上に小さじ1/4の塩をかける。
2・オレンジの皮、レモンの皮はよくすり下ろすのでよく洗っておく。パン粉はビニール袋に入れ、細かく砕いておく。1の上におろし金具でオレンジの皮、レモンの皮をすりおろす。さらにオレンジの絞り汁、レモンの絞り汁をかける。
3・2の上にパン粉、オリーブオイル、あればぴピスタチオ(なければよい)、お好みで刻み刻み唐辛子少々を振りかけて出来上がり。

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行正 り香

福岡生まれ。広告代理店に就職しCMプロデューサーとして活躍。2007年に、広告代理店を退社。著書に、「だれか来る日のメニュー」、「おうちに帰って、ごはんにしよう。」「19時から作るごはん」など39冊がある。中国語版、韓国語版にも翻訳済。NHKワールドでは「Dining with the Chef」のホストを務め、世界に向けて日本料理をプロモートしている。

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