夏!ですね。今年も旅は難しそうなので、夏はお家でテーブルセッティングでもして、レストランごっこを楽しむことにしました(笑)。私がはじめてディナープレートを買ったのは大学生の時。UCバークレーのインターナショナル・ハウスという寮に住み、授業についていくだけで背いっぱいのある日、どうしても美しい器を手に入れたくて、お財布の大切なお金を引っ張り出して買ったのでした。1枚買ったら、2枚めもほしい。今度はアルバイトで巻きずしを作って、また1枚を買い足しました。寮にもキッチンがあり、そこで何かを作って食べるときに器を持って行って盛り付けるのは、ささやかな楽しみでした。食事に興味を持つと、お酒にも興味を持つように。寮に住むヨーロッパの人達と仲良くなり、彼らがディナー前に楽しむ、デュボネやカンパリといったアペリティフを飲むようになりました。ダイニングルームではお酒は出されないので、その前にほろ酔い気分になってダイニングに行くのです。必死で勉強していても、こんな楽しむ時間を同時に作っていいのね、そんな発見をしました。日本人は真面目で、受験や仕事に一生懸命になったら、まっしぐらでゴールめがけて進まなくてはいけないイメージがありますが、ヨーロッパの人たちの時間の楽しみ方は、どこか優雅。ものすごい勉強をしたり論文を書いているのに、食事の時間だけはゆったり過ごしている姿に、とても憧れました。
日本に戻って働き始めてから、その優雅な一瞬とはかけ離れた時期もありましたが(そして、そういう時期が今の自分を創ってくれていることは確かですが)、30代になってからはバークレーの週末の夕暮れを思い出し、毎日のように食事とお酒を楽しむ時間を大切にできるようになりました。好きな音楽をかけたり映画を見ながら、口に含むのはだいたいワイン。今日もお疲れさま、いろいろあったけど、いい一日だったね、そう自分に語りかけながら、部屋の照明を少し暗くして楽しむ夜は、ずっと昔、憧れた時間でした。たった一杯の、たった一曲の音楽が変えてくれる世界というものがあります。ぜひみなさまも、フィラディスのワインとともに、そんな時間を楽しんでいただけたらと思います。今月も個性的な、でもどこかエレガントさを感じていただけるセレクションです。
B’causeビコーズ フランス
白ブドウのみから生まれた“Blanc de Blancs”と呼ばれる優美なスパークリングワインです。きめ細かい泡が白い花の香りと広がり、織り重なるハチミツやアーモンドのフレーバー。綺麗な酸がつくるフレッシュでドライな後味が夏にぴったりです。
希望小売価格 1800円
アーウィン・ウィンクラー オーストリア
ドメーヌ・マンシャン? フランス
フレッシュなシトラス系や白い果実、ミネラルを感じさせる味わい。ミネラルのバランスがとてもよいけれど、どこかエキゾティックな雰囲気の1本です。
希望小売価格 3000円
シャトー・ド・マルサネ? フランス
軽やかでエレガントな味わいの赤。イチゴのようなアロマが、豊かな夜を演出してくれますよ。
まぐろのカルパッチョ、オレンジ風味
レモンを効かせたり、オレンジを効かせたりして、まぐろを違う形で楽しんでみましょう。
材料(4人分)
ばちまぐろ、めじまぐろ、びんちょうまぐろなど、さく 300g程度(マリネ用の塩 小さじ2/3)
オレンジの皮 1/4個分
オレンジのしぼり汁 大さじ2
レモンの皮 1/4個分
レモンのしぼり汁 大さじ1
パン粉 細かくくだいたもの 大さじ1
塩 小さじ1/2
オリーブオイル 大さじ1
お好みで刻み刻み唐辛子 少々
作り方
1・まぐろはばちまぐろ、めじまぐろ、びんちょうまぐろのように白い色の安いものでよい。さくに塩を振ってペーパータオルにくるみ、さらにラップにくるんで冷蔵庫で3時間以上塩マリネする。まぐろは7mmの厚さに切る。盛り付け皿に塩を小さじ1/4振り、その上にまぐろを並べる。さらに上に小さじ1/4の塩をかける。
2・オレンジの皮、レモンの皮はよくすり下ろすのでよく洗っておく。パン粉はビニール袋に入れ、細かく砕いておく。1の上におろし金具でオレンジの皮、レモンの皮をすりおろす。さらにオレンジの絞り汁、レモンの絞り汁をかける。
3・2の上にパン粉、オリーブオイル、、お好みで刻み刻み唐辛子少々を振りかけて出来上がり。