行正り香 オフィシャルサイト | FOOD/DAYS

ピアノ

20141123-102032-37232455.jpg子どもたちがピアノを習い始めて、もう何年も経ちます。先生からは「一番長い生徒さん」と言われるようにまでなりました。長く習っているから上手かというと、そうではありません。だけど私の目的である「音楽を未来の友だちにしてほしい」という願いを、先生は叶えてくれるべく、すばらしき曲を選んでくださり、子どもたちは一週間に一度、ピアノに振れているだけで、エリック・サティのジムノペティなどを暗記で弾けるようになりました。とても気持ち良さそうに弾いています。

私は最初のうちは、練習しなさいと言っていましたが、今は「練習しないでいいから、行くだけ行ってほしい」とお願いしています。公文の英語も「宿題をしなくてもいいから続けるだけ続けてほしい。これは家に住む条件です」とお願いしています。なぜならば、振れるだけでも振れていれば、「あ、うまくなりたい」と自分から感じる瞬間に出会い、その瞬間に出会ったならば、人間はうまくなるチャンスを与えられると信じているからです。「好きだ」と自分が感じなければ、そこそこやることはできても、寝る間を惜しんで工夫をすることなどないでしょう。「好きだ」と感じる瞬間に出会うチャンスを与えられたら、そこから先は親も先生もいらない世界が広がります。

人が演奏するyoutubeを見て、真似をし始める。一度だけ長女がピアノを辞める、と言われたときがありましたが、「ならばそのスポットは私がもらう」と私が練習しはじめたら、やっぱり自分が習うということになりました。

音楽と英語が友だちになれば、例え寂しいときも、英語で音楽を聴いたり、コンサートに行って楽しむことができる。映画のセリフが、子どもたちを助けてくれる日だってあることでしょう。日本語だけの世界より、インドの映画もイギリスの映画も見られるならば、いいものに振れられるチャンスが倍増します。未来のよき出会いだけのために、ただいま練習なしの習い事、続行中です。

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行正 り香

福岡生まれ。広告代理店に就職しCMプロデューサーとして活躍。2007年に、広告代理店を退社。著書に、「だれか来る日のメニュー」、「おうちに帰って、ごはんにしよう。」「19時から作るごはん」など39冊がある。中国語版、韓国語版にも翻訳済。NHKワールドでは「Dining with the Chef」のホストを務め、世界に向けて日本料理をプロモートしている。

20件のフィードバック

  1. こんばんは!り香さんの考え好きだなぁ。
    私は行くだけでいい、と思える親では今のところありませんが(笑)とにかく始めたことは続けて欲しいと思っています。好きなことも大変なことも継続してこなかった自分を悔やんでいるので、続けることの大切さ、子供に伝えてます。

    1. あー、続けられてよかったあ、と
      十年、二十年後に感じてもらえたら、すてきですね。
      がんばってー(^_^)

      1. はい!がんばりまーす^_^
        り香さんと同年代ですが、わたしも今からがんばろう!!

  2. ほんと、そういう風にハードルを低くしてあげて、見守ってあげて、子供達が自分で考えていくスペースを作ってあげることって、大切なのかなぁと私はとっても共感します!
    私もり香さんのようにありたいです。
    でも、周りが塾に行っているだの、毎日ドリルを10ページしているだの、話を聞くと、うちはうちのスタンスで!と心に決めていたはずなのに、簡単に焦ってしまう自分に、もう笑が出る時もあります。笑

    12/3はり香さんに初めてお目にかかります。夫が急に出張が入り、子供達を見てもらう人がいないから行けない、、、って悲しくなってましたが、心優しい友人のお陰で?
    お洋服は何着ようかな、ネイルもしようかな、なんてなんだかデートに行くような気分で、こんなに嬉しいの久しぶりです!

  3. 誰かに楽しませてもらうことを待つより、自分で楽しさを見つけられるほうが、人生はステキですよね。

    いつも 大切なことを改めて考える きっかけを下さってありがとうございます。

    明日も 良い1日になりますように。

  4. いつも楽しみに読ませていただいています。
    でも、、今回は、ちょっと…。内容は素敵でしたが、(振れる)ではなくて(触れる)ではありませんか?

  5. いつも音楽と仲良しでいることは、本当に大切ですね。我が家の息子と娘はバイオリンを習っています。プロを目指すような腕前ではないけれど、バイオリンを弾くことで助けられる場面は多いようです。受験の気分転換から、思春期のイライラまで、また、兄妹で合奏することによって、もっと助け合うようになったり。

    ところで、お写真のピアノ、素敵ですね。昨年福島で購入されたものでしょうか?

      1. り香さん、返信ありがとうございますm(__)m 黒いピアノも素敵ですが、り香さんのピアノの優しい色も、大好きです。弾く前から、優しい音を連想させてくれますね。

  6. こんばんは。前回のピアノの記事で、「たとえ練習しなくてもいいからやっぱり息子にピアノさせたいな」と強く思い、9月からスタートさせました^^今のところシール作戦で練習しております。この先練習しなくなる時が来ても、本当、り香さんのおっしゃるとおり、「一週間に一度触れるだけでいいから…」と私も同じ考えです^^
    そして週1回のレッスン時は私も一緒に傍で聴いて(見て)いるのですが、この時間が私の癒しになっていたりして、思わぬ収穫でした(一歳の娘も一緒なので落ち着いてはいられませんが…)。やっぱり私、ピアノの空間が好きなんだなぁ、と改めて思った次第です。

  7. こんにちは。毎日更新がなくてもチェックして、楽しませていただいています!
    子供の習い事、今まさにどうしたもんかなぁと考える事が多い時期です。
    3歳児がいるのですが、自分からやりたいと言ってから習わせるのがいいかしら、と思ったり、でも、ある程度大人が色々手ほどきして、そこから見つける事もあるだろうし、と、悩ましく日々過ごしてます。
    行正さんのお嬢さんたちは、どのくらいから、どんな習い事されてましたか??

    1. 小さな子どもは自分から世界を広げてあげることはできず、広げてあげられるのは大人かな、という気がしています。私は子どもたちが5歳くらいのときからピアノ、英語、絵に通わせています。自分自身はピアノをずっとやっていましたが、スケートや英語も習ってみたくて、親にお願いしてもだめだったので(笑)、区が催す教室に応募していたりしました。5年生くらいから自分が習いたいものがはっきりした気がします。好きかどうかはやってみないと分からないので、まずはやってみることかもしれませんね!あとは波がくるので、辞めたいと言われても、その言葉は3回までは聞き流すと、親が決めておくとよいかなぁ。

  8. 素晴らしい先生ですね!どちらのお教室か教えていただけませんか?いま習っているところの先生も素敵なのですが、厳しすぎるので、もっとゆったり教えてくれる教室を探しています。

  9. りかさん、こんばんは。友人に本とサイトを教えていただいてから、大ファンになり100のエッセイも読み、更に大好きです!
    うちの近くにも公文があるので習わせたいと思ってしまいました。数ある英語教室の中で公文を選ばれた理由はどこでしょうか?差し支えなければ教えていただけたら嬉しいです。
    これからも応援しています。

  10. ピアノ、高校で部活に夢中になり、辞めてしまいましたが、今、15年経って、とてもとても救われています。
    日本語の歌詞受け入れられないときも、耳に優しかった。
    キースジャレットのピアノが一時期、私を救ってくれました。
    そして、ピアノ、エレクトーンを習わせてくれたこと、全然実家に帰らないのに、毎年、調律をしてくれている両親に感謝しています。

  11. 大変遅いコメントで申し訳ありませんm(__)m継続は力なり、も同じような意味になるでしょうか。私自身、子供の頃から色々習い事をしてましたが、長続きせず‥。一つの事でいい、続ける事に意味ありですよね。習い事ではないですが。今続いている事といえば、仕事。10年も続いてる、とかではないけれど、色々波があり‥(^_^;)ナニガナンデモ!!とまでは断言できないけど、ちょっとやそっとでは辞めないぞ、の精神で頑張って行きたいと思います。

  12. こんにちは。
    いつも素敵なお話ありがとうございます!
    習い事、やる気スイッチが入った子供は豊かな人生が過ごせそうですね♪
    私は 今になって長年 そろばん、ピアノを習わせてくれた親に感謝出来る様になりました。後悔も含め自分の力になってるのは続けさせて貰ったからなんだと思ってた所に、このお話。皆さんのコメントと共に涙が出ました…続けさせる事って大切ですね。

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