嫁姑というと、普通嫁が働くのがクラシックな姿ですが、父方のおばあちゃんは、いつも「よし子さん、座って、座って」と言っては、私をおんぶして、もてなしてくれたそうです。
それもただのもてなしではなく、鯛を一匹買って、まずはお刺身、次にお椀、そして煮ものと、まるで料亭のようなもてなしだったと、母はよく思い出しては話をしてくれます。
そんなに大事につくされたから、年を重ねたとき、自分も病院にずっといたおばあちゃんを大事にしてあげられた、と、いつもそんなことを言っています。
おばあちゃんはいつも笑っていたな。
メガネの奥の目のやさしさは、忘れることがありません。
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行正り香 「今夜の献立、どうしよう? FOOD/DAYS」