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BEFORE MIDNIGHT

BEFORE MIDNIGHT


「ビフォアミッドナイト」、昨日が上映される最後の日ということで、観に行きました。セリーヌ (ジュリー・デルピー)と ジェシー (イーサン・ホーク)が列車の中で出会い、途中下車をして恋に落ちてから18年。ドキドキする恋から、若さからの別れを経て、30代での再会、結婚、子育てをする40代までを三部作で描いた大作。ラストの「ミッドナイト」は主役の二人と共にリアルタイムで年を重ねてきた私の人生ともオーバーラップする部分がたくさんありすぎて、どこか痛くて、でも笑えて、すてきな人生を見せてもらえた、ステキな映画でした。

どの映画も好きだったけど、「ビフォアサンライズ(恋人たちの距離)」は、ヨーロッパ鉄道と旅というシーンの中で描かれていて、ロマンチックでした。私も20代の頃から、鉄道の旅が好きでした。友だちとユーレルパスを買って、時刻表を見てここで下りたり、あそこで下りたり。6週間かけて、ドイツ、オーストリア、スイス、イタリア、スペイン、フランス、デンマーク、スウェーデン、イギリスとかけ巡ったこともありました。宿代を倹約するために、なるだけ寝台車で寝ます。学生がたくさんいるから、本当にお互い足が臭くて(笑)友だちは眠れないと嘆いていました。でも、ゆっくり移動する鉄道の旅は、なんとも自由で、のんびりしていて、イタリアで見たひまわり畑や、ドイツの丘のワイン畑の風景を忘れる事は、一生ないだろうと思います。

昨年は、子ども二人引率して、ドイツ、イタリア鉄道の旅。イタリアで友人と合流したときは良かったんだけど、大人が私だけになると子どもたちはケンカばっかり(笑)。ロマンチックからはかけはなれた、頭痛がしそうな旅でもありましたが、それでも重い荷物を持ってくれて、ビールやワインでほろよい気分になっているかーさんを引率してくれた二人に、成長を感じる旅でもありました。

いつか二人も、「ビフォアサンライズ」を見て、鉄道の旅はよかったなぁ、なつかしいな、と思ってくれるでしょうか。そしてジェシーのようなやっぱりいろんな事を超えて、ステキな男性と出会ってもらったら、うれしいな。出会いの先にも、いろいろあるんだけどね。だけど人と共有する時間は、長い旅だと思えば、何が起こっても、どんな状況になっても、振り返ってみれば、きっとステキな旅。そう信じて、途中下車しながらも、人生という列車に乗り続けてほしいな、と思います。

行正 り香

行正 り香

福岡生まれ。広告代理店に就職しCMプロデューサーとして活躍。2007年に、広告代理店を退社。著書に、「だれか来る日のメニュー」、「おうちに帰って、ごはんにしよう。」「19時から作るごはん」など39冊がある。中国語版、韓国語版にも翻訳済。NHKワールドでは「Dining with the Chef」のホストを務め、世界に向けて日本料理をプロモートしている。

4件のフィードバック

  1. ウェブサイト オープンおめでとうございます!
    素敵な写真がたっぷり見られて嬉しいです。ブログと共に拝見し、またさらにり香さんを身近に感じさせてもらっています。

    私の大好きな映画「ビフォア サンライズ」
    学生の時に観て、とにかく好きになりました。9年ごとに続編が公開されるなんて、切りよく10年でないところもなんだかすごく好きです。
    都会に住んでいないため、空いた時間にふらっと映画館へということができず「ビフォア ミッドナイト」も残念ながら映画館で観ること叶わず・・・。
    都会に住む姉に頼みパンフレットは手に入れました!!
    DVD買って、美味しいお酒片手に自宅でのんびり観てからパンフを読むぞ~と今から楽しみです♡

  2. なんか素敵!り香さんぽいです♪
    お料理だけでなく、映画、音楽、センスある日常の中に見つける
    輝いたあれやこれ。
    り香さんワールド大好きです!

  3. り香さん、こんにちは。
    ビフォアサンライズ、早速みました!
    ステキな映画でした〜。
    もっと若い時に見たかったです…笑
    料理だけでなく、映画や音楽、インテリアなど、ほんとにたくさんのことを教えてもらっています。
    り香さんが思う、この恋愛映画は見た方がいいよ!と思うものを教えていただきたいです。
    こちらのサイトも楽しみに見せていただきますね。
    いつかお会いしたいです〜!

  4. コメントをくださったみなさま、ありがとうございます!
    うれしいなぁ。

    いろいろと、何であれ続けていくことは
    (10分歩くことでさえ、笑)大変ではあるのだけど、
    がんばってみたいな、と。
    人生折り返し地点ですから。
    写真も、過去の写真と今の写真と混ぜながら。

    高校に入学される娘さんのお話や
    みなさんのお話も、
    とても楽しみにしております。
    どんな時代にも、状況にも、
    見つけようと思ったら、何かいいこと。

    一日一個くらい、みつけていけたら
    ステキですねぇ。

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