みなさま、こんにちは。暖かい日が続いたかと思ったら、急激に寒い日も続いています。植物も動物も、気温の変化についていくのが大変ですね。でも私はこの日本の四季が好きでたまりません。適度に寒く、適度に暖かいくらいの気候だったら、「濃いシラーを飲みたい!」「さっぱりしたロゼを飲みたい!」と体が求めてくれません。震えるほど寒いからこそ飲みたいワインがあり、蒸し上がるほど暑いからこそ、飲みたい白やロゼがある。自然に合わせて体が求めてくれるワインに素直に従えば、さまざまなバリエーションの品種にトライすることができます。またワインに対してバラエティを求めるように、食材に対しても変化を求めるようになります。料理が季節ごとに変われば、盛り付ける器も変化する。こうして変化を求め、適応することによって、私たちはたくさんのことを学ばせてもらっている気がします。
和食を海外に伝えていく番組を長く続けていて、いろんなコメントをいただきます。なかでも多いのは「日本の器はアートですね!」という言葉です。いろんな形があり、素材も磁器あり、陶器あり、漆あり、そのバラエティから日本文化の複雑さを学ぶことができるとコメントをいただきます。そしてこの複雑さは季節の複雑さとも絡み合っています。日本には七十二候(しちじゅうにこう)という季節の区分があります。 季節ごとの植物、虫や鳥、天候などの様子が72の名前になっており、ときどき見返すと面白い分類です。例えば今の時期は「水沢腹堅」(さわみずこおりつめる)、つまり沢の氷が厚く張るという意味の時期だそうで、「たいそう寒い時期」を表現しています。でもこれが2月は節分の頃になると、「東風解凍」(とうふうこおりをとく)、春の風が氷を解かす、と言う時期だそうで、「あと数週間もすれば、厚く張った氷を、溶かしてくれる風がふくのだ」という意味だそうです。なんとも深い名の季節名です。こちらを考えた人は、どれほどの時間を費やしたのでしょう。何気ない毎日ですが、季節季節で料理やワイン、そして器を楽しめる国に住んでいる私たちは、ラッキーなんだな、と感じ入ってしまいます。
さて、こうしてフィラディスさんとのコラボで、「季節を感じるワインセレクション」を7年も続けさせていただきました。でも残念なことに、こちらのサービスは今年の3月を持って一旦終了となることが決まりました。長い間続けてくださったみなさま、ありがとうございます。みなさまに毎月ご案内できなくなるのは、なんだかとてもさみしいです。でもきっとこちらの頒布会でいろんなワインを飲むうちに、ご自分の「好き」を見つけるお手伝いができたのではないかな、と思っています。
リーズナブルで美味しいクオリティワインをテーブルに届けたいという夢を、ずっと追い続けてこられた石田社長にも、毎月飽きないようにと、いろんな工夫をしてワインをセレクトしてくださった五十嵐さんにも感謝です。私自身が、たくさんの学びをいただきました。
これからは、ワインを楽しむリアルな会というのを、少しずつやっていこうかな、と考えています。出会いは別れのはじまり。けれど、一つの別れも出会いの始まり。4月からまたきっと、いろんな世界が広がっていくことでしょう。2月にお届けしたら、3月がファイナルの月となります。ワイン、お楽しみくださいね!
<今月のワイン>
クレマン・ド・ロワール ブリュット・ゼロ フランス
シュナン・ブランのコクが感じられるクレマン。女子会を始める1本としてすばらしい。料理にも合うけれど、少し温めてたチーズをパンにのせて、ピクルスといっしょにアペタイザーとしていただくのがおすすめ。
以下はスペインのファン・ヒルシリーズ スペイン
モスカテルというフルーティーさを感じる白、日本で4月になると必ず売り出されるSAKURA、そしてモナストレル、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラーを混ぜてバランスよい味わいのブルーラベル。安定した味わいのワインを通年出し続けるファン・ヒルの安定力を味わえるシリーズとなっています。
ファン・ヒル モスカテル
ファン・ヒル クアトロ・メセス SAKURA
ファン・ヒル ブルーラベル
<今月のおすすめ料理>
パプリカ、にんじん、カリフラワーのヘルシーピクルス
お野菜が食べたい時、1週間分まとめて作っておけるおすすめピクルスです!シャンパンや白ワインとどうぞ!
<材料>
パプリカ1個
にんじん…大1本
カリフラワー…1個
【マリネ液】
米酢…200ml と 寿司酢…100ml
粗塩…小さじ1と1/2
砂糖…大さじ4
黒粒こしょう…適量
コリアンダーシード…大さじ1(好みで)
ディル…好みで
<つくり方>
- パプリカ、にんじん、カリフラワーは食べやすい大きさに切る。
- 小鍋に【マリネ液】を入れ、中火で煮立てる。沸騰直前で弱火にし、2分加熱したら火を止め、野菜を入れる。
- 粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やす。器に盛り、好みでディルを飾る。