ある夏の午後、パリに住む友人と「ラミ・ルイ」というレストランに行きました。
とても有名なビストロ。
でもお客さんは新聞を広げる常連風の男性が一人しかいません。
隣に座った私たちは、新聞の間から彼が食べている大きなステーキを見て、「あれと同じ物を頼もうよ」とウェイターの人に指差して頼みました。
常連さんが頼むものが一番おいしいはずだからです。
彼はおいしそうなステーキを半分残してレストランを出て行きましたが、そのあと頼んでいないシャンパンが2杯テーブルにサーブされました。
「同じものを頼んだマドモアゼルたちに」とごちそうしてくださったのです。
何て粋なんだろう。
こんな風に年を重ねるってステキだわぁ、と感動してしまいました。
わたしもね、年を重ねたら素敵なレストランで「あちらの若いツバメちゃんたちに、シャンパンを2杯」とか言っていたりして(笑)。
いや。
単なるやらしいばーさんになりそうだな。
口つけてもらえないかも。