行正り香 オフィシャルサイト | FOOD/DAYS

王子さまより人生だ。

王子さまより人生だ。


最近、大人の会話に子どもたちが参加してきます。ちょっとずつ、会話からはぶれてはいるけど、だいぶキャッチボールになってきました。先週末は女子食事会で、「仕事って大切だよね」という会話になっていたところ、ぶどうを口にほおばっていた次女(8歳)が「そうそう。王子さまより、人生だよね」とつぶやきます。いやぁ、名台詞!小さい頃から「白雪姫」や「眠りの森の美女に」を読み、「王子さまにキスをされたら人生バラ色」というストーリーに慣れ親しんできたはずですが、考えたら人生はそういうわけには参りません。そもそも作者はみなロマンチック男子。キスのあとの大変さは語るわけがないわけです(笑)。

名台詞の通り、人生に彩りや潤いを与えてくれるのは、「王子さまは一瞬」だけど、「仕事や趣味は一生」。女性は恋に落ち、子どもが生まれたりして、大切なものを手放してしまう人も多いのですが、もし『王子さまより人生だ』という童話があったなら(現実すぎて、童話になりませんね、笑)女子だって、カンタンに仕事や趣味を手放さないかもしれません。

女性にはいつもチョイスがつきまといます。結婚するというチョイス。名前を変えるチョイス。子どもを産むというチョイス。仕事を辞めるというチョイス。チョイスがない多くの働く男子と比べて、ある意味、誘惑がたくさんあるとも言えます。最近働く女性も増えてきて、「辞めようかな、と思うんです。家族に悪いなぁと思って」と言う方もいらっしゃいますが、そのたびに私は、「仕事は辞めたら、二度と同じポジションには戻れないんだよぉ。趣味だって辞めたら、元の状態まで戻すのに、とても大変。私は働く母親が家にいなくてよかったし、おこられないですんだ。反抗期には反抗する人が家におらず、結果、家族とずっと仲良くいられる」とお話をします。「まずは続けみてから、辞めたらいいのでは」と。

だんなさまを待っていたからと、だんなさまが急いで帰って来てくれるのは、はじめの3年、いや、3ヶ月くらいなもの(笑)。だからですね、次女の言うとおりです。「王子さまより人生だ。」女性だって、自分で人生の花を開かせなくては。小さかった子どもたちも、今は名台詞を食卓で語れるようになりました。将来は、ロゼワインでも飲みながら、王子話は付き合いはじめの「はじめの3ヶ月」を楽しみに、その後は、仕事や趣味のお話を聞かせてもらうのが、楽しみです。

春ですね。また子どもが大きくなる。

 

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行正 り香

福岡生まれ。広告代理店に就職しCMプロデューサーとして活躍。2007年に、広告代理店を退社。著書に、「だれか来る日のメニュー」、「おうちに帰って、ごはんにしよう。」「19時から作るごはん」など39冊がある。中国語版、韓国語版にも翻訳済。NHKワールドでは「Dining with the Chef」のホストを務め、世界に向けて日本料理をプロモートしている。

7件のフィードバック

  1. 働く女性も専業主婦も、その人の個性に合う生き方なら、どちらも素敵ですよね!ただ、私の母は専業主婦だったので、学校から帰るといつもただいまと出迎えてくれて、とても嬉しかったのを覚えています。だから、共働きで家にお母さんがいない友達をいつも可哀想だな〜と思って見ていたのですが、り香さんのようにそれが逆によかったという人もいるんですね!子育てがひと段落した母は今では趣味に没頭し、毎日楽しそうです(笑)

  2. 次女ちゃん、ナイス名言ですね〜!
    特に女の子は、意外に早くトーク仲間になれますネ(^^)
    写真可愛いなぁ。愛しい時間、子育てって実はあっと言う間のできごと。
    趣味も仕事もDO IT ALL!、ですね〜*\(^o^)/*

  3. うちの夫は一緒になって10年近くたちますが、いまだに早く帰れるよう頑張ってくれますよ☆二人の関係性や、相手にもよるんじゃないでしょうか(^_^;)

  4. はじめまして。
    私が嫁ぐ時に 姉から もらった(奪った)料理の本は行正さんの本でした。
    料理が未知の世界だと思っていた私が なんとなく興味を持てた貴重な行正さんの本は今では我が家の家宝です。
    改めまして …
    「沢山の美味しい幸せをありがとうございますm(_ _)mペコリ」

    行正さんの本に出逢えてなかったら お料理は面倒くさい厄介なものになっていたかもしれません。

    今も時々、面倒くさいな…と思う日がありますが そんな時は行正さんの本をペラペラめくっていると ヤル気と根気がメラメラ。笑

    お料理だけでなく トークもあっさり爽やか爽快。サイダーみたいな行正さんが大好きです。

    ai

  5. り香さんこんばんは。

    「王子様より人生だ」名言ですね!

    私は2年前、失恋した時の傷心旅行…ならぬ傷心散歩中の本屋で、やさしさグルグルと出逢い、人生が前よりずっとカラフルになりました(*˘︶˘*)
    結果オーライでした!笑
    り香さんには心から感謝です。

    今回の記事を読んで、私の大好きな女優ケイトブランシェットのことを思い出しました。結婚して、子供を3人産んで、一度は地元シドニーに戻って演劇に携わったりして、今回2度目のアカデミー賞受賞!

    仕事や好きなことをできる環境、結婚や出産でなかなか思うようにいかない事もあるんだろうなと思うけど、長い目で見て、一歩でも進んでみようとすること、大事だなぁと思いました。

  6. り香さん
    昨日の横浜では、お世話になり、どうもありがとうございました。それから、大変不躾なお願いをして申し訳ありませんでした。今日は‘ママにとってご褒美の時間’だから協力してほしいの。のお願いに娘達も答えてくれました。(当然、その娘達の協力へのご褒美も終了後買いましたが(笑)
    実際お会いして、り香さんは本当に素敵な方でした。また、ぜひお目にかかりたいです。今日からの日々日常の原動力となります。

  7. 初めてコメントします。
    りかさん、読者の皆さまこんにちは。

    ブレないことは良いことのように捉えられている風潮?の中、ブレまくりの自分の生き方に正直自信がありませんでしたが、ん⁈ブレても良いのか⁈と、りかさんのお話しを聞いていて考えるようになりまして。ずれていたら、すみません…^^;

    ケ・セラ・セラ、なんくるないさ〜。と柔軟でしなやかに生きられたら…
    でもそればかりではやっぱりダメだから笑、せめて続けるということ、、
    仕事でも趣味でも大事になってくるのでしょうか⁇
    春から下の子を保育園に預けて、ケーキ屋さんでアルバイトを始めます。
    7年振りの仕事でドキドキしますが、まず今年は続ける、をモットーに頑張ってみたいと思います。
    りかさんの人生のお話、美味しいお料理のレシピ、日常の面白いお話etcこれからも楽しみにしています。

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